たかまど(高円)の みや(宮)のすそみ(裾廻)の のづかさ(野司)に
いまさけるらむ をみなへしはも (20/4316,大伴家持)
をみなへし 秋芽(はぎ)交る 葦城野(あしきの)は 今日を始めて 萬代に見む (8/1530,読人知らず)
をみなへし あきはぎ(秋萩)しの(凌)ぎ さをしか(鹿)の
つゆ(露)わ(分)けな(鳴)かむ たかまと(高円)の野そ (20/4297,大伴家持)
こと更に 衣は摺らじ をみなへし 咲く野の芽子(はぎ)に にほひて居らむ (10/2107,読人知らず)
日晩し(晩蝉)の な(鳴)きぬるとき(時)は をみなへし
さきたる野辺を ゆきつつ見べし (17/3951,秦忌寸八千島)
をみなへし さきたる野辺を ゆきめぐり きみを念ひ出 たもとほりき(来)ぬ
(17/3944,大伴池主)
吾が郷に 今咲く花の をみなへし 堪へぬ情(こころ)に 尚恋ひにけり (10/2279,読人知らず)
をみなへし 秋芽(あきはぎ)た折れ 玉鉾の 道行裹(みちゆきつと)と 乞はむ児がため
(8/1534,石川老夫)
手に取れば 袖さへにほふ をみなへし 此の白露に 散らまく惜しも (10/2115,読人知らず)
秋の田の 穂む(向)き見がてり わがせこ(背子)が
ふさたを(手折)りける をみなへしかも (17/3943,大伴家持)
をみなへし 生ふる沢辺の真田葛(まくず)原 何時かも絡(く)りて 吾が衣(きぬ)に服(き)む
(7/1346,読人知らず)
をみなへし 咲く澤に生ふる 花勝見(はなかつみ)
かつても知らぬ 恋もするかも (4/675,中臣女郎)
おみなへし 咲く野に生ふる 白つつじ 知らぬ事もち 言はえし吾が背 (10/1905,読人知らず)
|